米国のセレブや若者の間で流行している『VAPE』って何?

話題の新商品 2014.12.08
米国のセレブや若者の間で流行している『VAPE』って何?
ロサンゼルスのダウンタウンと聞けば、「治安が悪い」というイメージを抱かれがちだが、それは90年代の映画での話。
ダウンタウンは2000年代から再開発が進み、モダンで洗練された街へと変貌を遂げている。その中心地へ行くと、大通り沿いのカフェで友人たちと談笑しながら、電子タバコらしきものを吸っている若者たちを見かける。
もちろん、最近では米国内でも禁煙のカフェは多い。しかし彼らは臆面もなく堂々と煙をくゆらせている。
やれ健康だの環境だの訴訟だのと世界一うるさいはずの他の米国人客は文句ひとつ言わないのだ。
『VAPE』とはいったい何なのか?
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「その若者たちは顔面のありとあらゆる場所にピアスを打ち込んでいて、非常に注意しにくい雰囲気を醸し出しているんじゃないか?それにアメリカって国は公共意識が希薄だからな。」と日本人的倫理観で若者バッシングを行うのは早計である。
彼らが吸っているのは正確にはタバコではない。お店にはこういう張り紙がある。
「NO SMOKING ,VAPING OK.」と。
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彼らが吸っているのは『VAPE(ベープ)』 と呼ばれる電子タバコである。
この中でも、最近、アメリカの若者の間で『VAPEカルチャー』ともてはやされているのは、リキッド式の電子タバコで、タンクに様々なバリエーションの香りや味がついた液体を注入し、ボタンを押すと熱せられ、発生する水蒸気を吸い込む形式のものである。
この液体には、ニコチンやタールが含まれないものが多く、タバコではないと認識されているため、一部の禁止令が出ている地域以外では、公共の場でも堂々と吸えるというからくりだ。
※あまりにも電子タバコが普及したため、現在は、ロサンゼルス市内の公共の場での使用は禁止されている。
『VAPE』の人気に火をつけた海外セレブたち
『VAPE』の人気に火がついたのは、ハリウッドセレブや有名アーティストの間で大流行したことも要因のひとつ。

レディー・ガガとともにアメリカの2大歌姫と言われるケイティ・ペリー、日本ではハイスクール・ミュージカルでお馴染みのイケメン俳優ザック・エフロン、そしてアメリカン・アイドルの辛口審査員として有名な音楽プロデューサーのサイモン・コーウェルなどなど、『VAPE』を愛用しているセレブを探すのは比較的容易だ。

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しかし若者世代に流行する決め手となったのは、やはりSNSの発達による口コミでの流行である。主に西海岸の20代のサーファーやHIPHOPを好むワルかっこいい男性層がアーリーアダプターとなり、情報が拡散されていったようだ。
禁煙アイテムとは違う独自の『VAPEカルチャー』
日本で電子タバコといえば、とかく禁煙支援のアイテムという先入観を抱かれがちだが、米国ではすでに『VAPE』は独立したカルチャーの一つとして定着しつつある。『VAPE』は健康に害がないとされており元々喫煙者ではなくても楽しめる上に、そのお洒落さや若さが従来の電子タバコ観を完全に覆したのだ。

「水蒸気(Vapor)を楽しむ」という、これまでなかった嗜好品の新スタイルの集大成が『VAPEカルチャー』といえるかもしれない。

さらに2014年11月には、オックスフォード大学出版局辞典部門が『VAPE』を「電子タバコを吸う行為」として今年の言葉に選んだ。
短期間で若者を中心に独自のカルチャーまで形成するに至った理由は『VAPE』が持つ3つの特徴の賜物だろう。
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・無限大のフレーバー
自分の好みに合わせたフレーバーのリキッドが選べること、その数は現在では800種類を超え、リキッド専門店も増え続けている、自分でリキッドを調合することも可能と選択肢が幅広い。
・個性を主張できるカスタマイズ
『VAPE』の蒸発器は外観ボディや吸口(ドリップチップ)、リキッドを注入するタンクを自分の好みに合わせてカスタマイズが可能で、ちょっと自分を格式高くに見せたい男性なら、全体をメタリックにして紋章を入れることも可能なのである。さらに従来の電子タバコのように使い捨てではなく、長く愛用できる耐久性も持った商品で、専門店や職人も多く生まれている。
・周りに気を使わなくていい
ニコチンやタールが含まれないリキッドが多く、禁煙の場所でも吸えるという、ちょっとした抜け道感というか開放感がたまらない。
ちょっと言い過ぎかもしれないが、たとえ他人の水蒸気(Vapor)が顔にかかっても、「人が吐き出したもの」と神経質にならなければ、逆に心地よささえ感じるほど。さらに『VAPEバー』という専用バーでは、お試し用リキッドの入ったアトマイザーがカウンターに並んでいて、自由に試すことができる。
(VAPE専用バーなので、お酒を提供するわけではない。)

個性が美徳のアメリカ人に『VAPE』がウケるのは、必然のような気もする。

とここまで、『VAPE』の紹介をしてきたが、まとめると『VAPE』とは電子タバコを吸うことであり、電子タバコの総称でもある。

しかし、若者を中心に形成される『VAPEカルチャー』は、従来の電子タバコとは一線を画し、自由度の高い組み合わせとかっこよさ、若さが相乗効果となって生まれた新しい潮流である。

「でもやっぱりただの若者カルチャーだろ。」と思われる諸先輩方もいるかもしれないので、具体的な数字でただのカルチャーとはいえない事を裏付けてみよう。

2014年、世界の電子タバコの市場規模は35億ドル(およそ4000億円)に達すると言われており、これからも伸び続けると予測されている。そして、その中心にいるのが、未来の消費をも担う若者たちなのである。
ビジネスとしても計り知れない魅力を備えているのではないだろうか?

『VAPE』の過熱ぶりはとどまることを知らないばかりか、日本に本格的に上陸すれば流行する可能性が高いのはもちろん、どのように独自の進化を遂げるのかが見どころだ。

しかし気になる点も残されている。
米国では未成年者も使用可能なことから、規制を設ける州も出てきている。日本国内には、規制はないが、販売者が自主的にルールを設定するケースが増えてきている。
さらに今年の11月に、厚生労働省から一部の粗悪品の健康懸念が報道されたが、米国や欧州では、日本での報道以前から中国製の粗悪品について健康への危険性が公に問題視されおり、日本ではまだまだ始まったばかりのVAPEカルチャー、正しい情報の整理が肝要になってくるだろう。
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